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症状固定までの期間は法律で6か月と決まってる?→そんな訳ない。。。

先日、ある交通事故の被害者さんが、怪我の治療を続けていたところ、事故から6か月経とうとしたしたころ、相手方保険会社の担当者から、

事故から症状固定するまでの期間は6か月と法律で決まっているので、症状固定して、後遺障害の手続をして下さい。」

と言われたそうです。

要するに、保険会社としては、「あなたは症状固定状態にあるのだから、治療を中止しなさい。」と言いいたいのですね。

「6か月間と法律で決まっている」

このような言い方を保険会社の担当者はよく使います。

では、症状固定までの期間は、本当に「6か月と法律で決まっている」のでしょうか?

確かに、交通事故の後遺障害の認定基準となる「労災補償 障害認定必携」には、症状固定に至るまでの期間について、

「医学上妥当と認められる期間を待って、障害の程度を評価するものとし、症状固定の見込みが6か月以内の期間においても認められないものにあっては、療養の終了時において、将来固定すると認められる症状によって等級を認定することとする。」(第16版p70、第17版も同頁)とあるだけで、「6か月で症状固定としなければならない」とは言ってはおりません

ましてや、そのようなことが法律で決められている訳でもないのです。

はい。もうお分かりですね。

保険会社の担当者の言っていることは、ウソか、ただの勉強不足です。

一般的に言われている、6か月間という症状固定とするまでの期間は、一応の目安に過ぎません。

たとえば、手足の切断や失明など、6か月の期間を待たなくても「症状固定」とされる場合もあれば、複雑骨折や高次脳機能障害のように6か月以上の期間が必要な場合もあります。

保険会社としては、治療費の支払を終わらせたい方便として、6か月という期間を持ち出すことが多いので、皆さんが保険会社からそのようなことを言われたときには、決して鵜呑みにしないようにしてくださいね。

 

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