後遺障害の対象となる痛みやしびれの「証明」方法
交通事故の後遺障害には、「神経障害」(厳密には「抹消神経障害」です。)というものがあります。
この「神経障害」というのは、簡単にいうと、体に「痛み」や「しびれ」が残っている状態のことを言います。
そして、神経障害も後遺障害として認定されるためには、痛みやしびれが残っているということを、被害者が医学的に「証明」しなければなりません。
骨折していたり、軟部組織が神経を圧迫していたりして、痛みやしびれの存在することが、レントゲン・MRI撮影画像や神経学的検査などの医学的検査により明らかであれば、それらの証明は難しくはありません。
ところが、患者さんが痛みやしびれを訴えられていたとしても、その存在が医学的検査では分からないことの方が多いのです。
では、痛みやしびれの存在を医学的に証明できなければ、一切「神経障害」という後遺障害が認定されないかというと、必ずしもそうではありません。
それらの存在を証明できないのであれば、痛みやしびれの存在が「一応推認できる」、「意図的な誇張ではない」と説明できればよいのです。
実は後遺障害として認定されるものの多くが、この「痛みやしびれの原因を証明できない神経障害」なのです。
後遺障害等級でいえば、14級9号にいう「神経障害」に当たります。
では、前に述べたような「説明」をどのように行えばよいのでしょうか?
端的に言うと、それは「治療実績」を使ってです。
例えば、
痛みを緩和する治療(鎮痛消炎処置)をどの程度受けているか
どのような薬(痛みやしびれを緩和する)が処方されているか
などの事故で怪我をしてから症状固定するまでの一連の治療の経過のことです。
「このような治療経過からすれば、痛みやしびれがあるということは、証明できなくても、あながちウソではない」
そう認定機関(自賠責損害調査事務所)に受け取ってもらえれば、「神経障害」の後遺障害が認定されます。
ただ、そうはいっても実際のところそれは簡単ではありません。
怪我の種類ごとに整合性があり、かつ説得力のある説明が必要です。
後遺障害を認定してもらうための、そういった「説明」のお手伝いをするのが、我々専門家の仕事です。
交通事故による怪我の痛みやしびれが残っているけれど、これが後遺障害に該当しうるのか分からないという方は、ぜひ一度、ご相談にお越しになってみてくださいね。