解決事例

右肩腱板損傷:事前認定で非該当→異議申立で12級6号(上肢関節の機能障害)

傷 病 名 右肩打撲、右鎖骨遠位端骨折 他
※後に右肩腱板損傷
年齢・性別 50歳代・男性
事故の態様 横断歩道を歩行中に交差点を右折してきた自動車と接触転倒
治療内容 保存療法・投薬・リハビリ
治療期間 5箇月2週
認定等級 初 回  事前認定  非該当
異議申立 被害者請求 12級6号

 

当事務所の活動

被害者は鍼灸あん摩師でしたが、利き手である右腕が上がらず(可動域制限)、右肩の疼痛がひかないため、仕事に多大な支障が生じている(廃業もあるうるとのことでした。)のに、後遺症に対する補償がまったくされないのは納得できないので、異議申立をして欲しいとの依頼がありました。

私の方で、一件資料と画像を取り付けて精査したところ、①事故直後には搬送された救急病院で、胸部にレントゲン検査やMRI検査をしているが、実際に転倒時に打撲した右肩部についてはレントゲン以外の撮影をしていませんでした。②また、事故から症状固定までの期間が6か月間ありませんでしたが、依頼者は症状固定後も6箇月以上、治療を継続されていたため、治療期間の短さは何とかクリアできるのではないかと考えました。

そこで、①主治医から初療でMRI撮影した救急病院に紹介状を書いてもらい、右肩部のMRI検査をしてもらったところ、右肩腱板損傷が見つかりました。②さらに、主治医に症状固定後の症状の経緯と治療実績(通院日・投薬・リハビリの内容)などを記載した照会・回答書を作成してもらいました。

私の方で異議申立書を起案し、依頼者に確認して頂いた後、①新たに撮影したMRI画像データと新たに作成した照会・回答書を添付して、自賠責保険会社に異議申し立てをしたところ、無事、12級6号(上肢関節の機能障害)が認定されました。

 

行政書士のコメント

初回の事前認定の別紙理由書に書かれている内容が全くもってでたらめでした。

初診時の経過診断書にもしっかりと「右肩打撲」という傷病名が付けられているにもかかわらずですよ。肩関節の可動域制限があることについて「提出の診断書上、受傷当初に右肩の受傷が認められておらず」としており、それをもって右肩の可動域制限は「右鎖骨骨折に伴う拘縮によるもの」とし、それを後遺障害に該当していないとしていたのです。

自賠責調査事務所は「いったいどこの何を見ているのか?」と憤りも感じました(任意保険会社の顧問医意見書のコピペ?)が、逆に私としては突っ込み易くて、切れのある異議申立書が起案できたと思います。

損害賠償金の確定は、福岡の紛争処理センターに依頼しましたが、そこでの嘱託弁護士さんが素晴らしい仕事をしてくれたおかげで、赤い本基準のほぼ満額の賠償金を獲得できました。依頼者も泣いて喜んでくれました。

T先生ありがとうございました!

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